2019.3.19
『杉原千畝Sempo Museum開設式典』に寄せて
3月19日(火)に『杉原千畝Sempo Museum』開設の式典が東京で行われました。
セレモニーにはイスラエル大使を始め、オランダ大使、ポーランド大使、リトアニア大使、カナダ首席公使、アメリカ首席公使、ご来賓が出席、とても和やかな雰囲気の中式典が行われました。
冒頭、杉原千畝の孫、当NPO理事長の千弘氏の挨拶で幕を開け、カナダから杉原ビザ受給者のブルマン家の4人を代表して、ジョージ・ブルマン氏がスピーチをしました。駐日イスラエル大使、ヤッファ・ベンアリ閣下のスピーチの後、当NPOと杉原家よりブルマン家に感謝状の贈呈がありました。
ブルマン家からは78年ぶりに海を渡り、オリジナルの「命のビザ」が同ミュージアムに寄託されました。ビザ受給者のジョージ氏の父、ネイサン・ブルマン氏は1940年8月9日に杉原千畝領事代理からビザを受給。妻のスーザンとともに日本を経由しカナダへ移住、ブルマン家は現在4世代目にその命が受け継がれています。
千畝によってポーランド系ユダヤ避難民は約6千人がそのビザで救われましたが、ホロコーストでは600万人の罪のない命が失われました。
ミュージアムには杉原ビザを物語る歴史的資料が展示され、ユダヤ人のホロコーストの苦難の歴史も展示されています。同館は東京で初めてホロコーストに関連する場所として開館しました。
展示は初公開として杉原千畝自筆手記、勲章、家族の思い出の資料なども展示され、杉原リスト2139人の名前も壁一面に貼り出されています。
また、同館オリジナルビデオもご覧になれます。ビデオには7歳の時にビザを受給したシカゴ・マーカンタイル取引所名誉会長、レオ・メラメド氏のインタビュー、杉原幸子氏の貴重な肉声、サバイバーたちの映像などが収録されています。
その他、吉川晃司主演、ミュージカル「SEMPO」の舞台で使用した貴重なセットの品々、未公開の映像、パンフレット、台本などを展示しています。
同館は杉原千畝の「人道と博愛」の思いを展示する常設展です。
東京から国内外へ情報を発信し、広く伝える場所として多くの方のご来館をお待ちしております。
<展示品について>
・Bluman家所蔵 オリジナルパスポート
「杉原ビザ」は、ワルシャワ出身の父、Nuta Bluman(ポーランド名)が、25歳の時、パスポートに受給(1940年8月9日、No.1569)。「杉原リスト」には、Nutaの名前だけ記載されているが、Nutaのパスポートには、母・Zysla(ワルシャワ生まれ・ポーランド名)の名前が含まれている。
・杉原ビザ発給の「決断」について書かれた杉原千畝直筆手記と長文手記2点
・杉原千畝のリトアニアでの写真、家族の思い出の品や賞状数点
・ヤド・バシェム賞(諸国民の中の正義の人賞)勲章メダル(イスラエル 1985年授与)
・コマンドルスキ星十字勲章(ポーランド 2007年授与)
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共同通信社